手指の痛みと動悸・不眠|大濠公園での経過記録
T様(40代後半・福岡市内在住・ソーシャルワーカー)は、朝に手指の痛みで目が覚める日が3か月以上続き、あわせて夜中の動悸、4時頃に必ず目が覚める睡眠の途切れ、慢性的な疲労感に悩まされており、当院にご来院されました。内科・循環器内科・婦人科を受診されましたが、いずれも検査値の異常は見つからず、子宮内膜症の治療でジェノゲストを服用中のためホルモン治療の変更も難しいと言われていたとのことです。本記録は、初回施術での評価と介入、その直後の変化、今後の方針をまとめたものです。
来院時の状態
主訴は4つでした。1つ目は、朝起きた時点で手指全体の関節が痛み、布団の中で指を少しずつ曲げてから起き上がる必要があるほどの硬直感。特に右手が強く、朝の家事や仕事中の細かい動作の負担になっていました。2つ目は、夜の静かな時間や就寝中に突然出る動悸で、1年ほど前から続いていました。3つ目は、夜中に2回ほど目が覚め、4時頃には必ず覚醒してしまう睡眠の途切れ。4つ目は、勤務時間を週3日・1日6時間に減らしてもむしろ強くなっていく疲労感です。あわせて、寝ているあいだの食いしばり傾向も自覚されていました。夫の転勤で9月に福岡へ移られたばかりという生活環境の変化も、自律神経への持続的な負荷として重なっていました。
施術の経過
今回はブレシア®(brascia®/商標登録 第6920621号)の視点から、軸③(大脳辺縁系・視床下部:自律神経)と軸④(島皮質・内受容感覚)の安定を中心に施術を設計しました。
姿勢評価では、横から見た耳の位置が肩よりかなり前に出ており、頭部の重さを首・肩・上背部の筋群で支え続けている状態でした。背骨の動きでは、腰部は動く一方で、上半身(特に肩甲骨周りから上の胸椎)の動きがほぼ出ていませんでした。背骨は自律神経の通り道でもあるため、この硬さが軸③の不安定さに直結していると考えられました。立位での腕の状態では、右肘がやや内側へ巻き、肩甲帯の前方への巻き込みもあり、頸部から腕への神経走行に持続的な圧迫がかかりやすい状況でした。目を閉じての立位バランステストでは、姿勢制御と自律神経調整に関わる脳の領域への入力が安定して届いていないサインが確認できました。触診では、お腹(特に下腹部)と背中(特に右側)の深層筋膜の硬さが顕著でした。下腹部の筋膜の硬さは、軸④の内受容入力の質に直接影響します。
施術は、首の付け根に鍼を入れて筋膜を緩めながら、同時に眼球運動と頸部の動きを軽く行う「複数の感覚入力を重ねるスタッキング」の構成から始め、続いて腕の筋膜マニピュレーション、お腹と背中の深層筋膜のリリース、最後に顔面(神経の出口部位)への振動刺激で脳幹レベルへの入力を整える、という順序で進めました。
変化のプロセス
施術後の姿勢写真では、耳の位置が後方へ戻り、上背部の丸まりが軽減していました。上半身の背骨のカーブが施術前より自然な位置に戻ったことで、呼吸の入り方も変化しました。T様ご自身から「体が軽くなった気がする」「座った時の感覚が違う」という言葉がありました。
下腹部・背中の深層筋膜が緩んだことで、施術前は明らかに浅く速い呼吸だったものが、施術後は呼吸のリズムが落ち着き、息を吐く時間が自然に長くなる方向に動きました。軸③(副交感神経)が働きやすい身体側の条件が整い始めたサインです。
手指の痛みについては、初回時点では「これからの経過を見ていく」段階ですが、肘・肩甲帯・頸部にかけての持続的な負荷を一度ゼロ方向にリセットできたことで、朝の硬直感の出方が今後どう変わっていくかを次回以降確認していきます。
施術を通じた生活の変化
今回は初回の施術のため、生活面の変化を観察するのはこれからとなります。ただし、姿勢、呼吸、体の重さの感覚という、日常の土台になる部分が施術直後の時点ですでに変化していたことから、夜の動悸の出やすさ、明け方の覚醒、午後の疲労感の出方が、今後の施術を積み重ねるなかで変化していく方向性が見えています。あわせて、自宅でのセルフケアとして、肩を前ではなく後ろで組んで胸を開く姿勢の癖づけ、手首と指のストレッチ、就寝前の深呼吸の3点をお伝えしました。施術後2〜3日のあいだは、体が反応している過程として一時的に重さや張りを感じる場合があることも事前にお伝えしています。
来院頻度・期間の目安
T様は、上半身の背骨の可動性低下と、お腹・背中の深層筋膜の硬さが長期にわたって積み重なっている状態のため、初期は週1回程度のペースでの来院をお勧めしました。脳と身体が「新しい正しい状態」を学習し、それを保てるようになるには、ある程度の頻度で同じ良い状態を繰り返すことが必要なためです。施術後の状態が戻ろうとする反応も最初の数回は出やすいため、間隔を空けすぎずに積み重ねていく方針です。状態が安定してきた段階で、徐々に間隔を空け、最終的には月1〜2回のメンテナンスへ移行していくプランで進めていきます。子宮内膜症の薬を継続されている状況でも、薬の効きを邪魔せずに自律神経と筋膜の状態を整えていけます。
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本症例は、ブレシア®臨床設計に基づく経過記録です。
※この内容は、Emaps株式会社の「リリーフポートフェミナ鍼灸整体院 大濠公園店」での実際の経過をもとに記録しています。
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※ ブレシア®(brascia®)は医療行為の代替ではなく、状態把握とケアの質を高めるための独自フレームとして運用しています。
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リリーフポートフェミナ院長/鍼灸師
福岡市・大濠公園近くで、女性特有の不調と向き合う整体・鍼灸ケアを行っている。