2026.05.24

産後から続く慢性頭痛と首肩の痛み|大濠公園での経過記録

産後から続く慢性頭痛と首肩の痛み|大濠公園での経過記録

M様(福岡市内在住・お子さまあり)は、第一子のご出産後から続く慢性的な頭痛と首肩の痛みに長らく悩まされており、当院にご来院されました。月に一度は頭痛薬がないと動けないほどの強い頭痛が出る状態が続き、外出予定を延期せざるを得ない日も多くあったとのことです。「頭痛がない人っているんですよね」というご本人の言葉に、長期間続いてきた負荷の蓄積がにじんでいました。本記録は、初回施術での評価・介入・施術直後の変化と、今後の方針をまとめたものです。

来院時の状態

主訴は、左側を中心とする慢性頭痛と首肩の持続的なこり感でした。痛みは月1回ほど強く出る波があり、その時期は頭痛薬なしでは動けない状態が続いていました。出産後から症状が顕著になった経緯があり、第二子出産時の帝王切開(約16年前)を経て、現在まで首肩のこわばりと頭痛の波が日常化していました。あわせて、長時間の会話の後(「電話で2時間ほど話した後など」)に首から後頭部にかけての疲労が増す感覚、午後にかけて出てくる頭の重さ、出産後から続く便秘傾向、寝つきや睡眠の途切れの不安定さも自覚されていました。「元気なはずなのに体が重く、楽しい疲れではなく重い疲れになる」という表現には、内受容感覚(自分の体の状態を読み取る感覚)と体感のずれが背景にあることがうかがえました。

施術の経過

今回はブレシア®(brascia®/商標登録 第6920621号)の視点から、軸③(大脳辺縁系・視床下部:自律神経・ホルモン軸)と軸④(島皮質・内受容感覚)の安定を中心に、頸部・顎関節を支配する軸①(脳幹・脳神経:三叉神経)への入力も組み合わせて施術を設計しました。

姿勢評価では、横から見たときの耳の位置が肩より明らかに前に出ており、頸部前面の筋群で頭の重さを支え続けている状態でした。首は正面から見るとやや右に傾き、左右の耳の高さに差があり、背骨全体の可動性は触診の段階でほぼ動きが出ていない状態でした。背骨は自律神経の通り道でもあり、この硬さが軸③の不安定さに直結していると考えられました。下腹部の触診では、帝王切開の傷跡周辺の筋膜に明らかな癒着と硬さがあり、ご本人にも痛みを伴う領域でした。下腹部の筋膜にはL4体液動態・内受容入力に関わる神経終末が集中しているため、ここの硬さは軸④の体内認識の解像度に直接影響します。顎の動きを見ると、口の開閉時に左右で動き方が異なり、閉じる際に顔がやや前に出る代償が見られました。顎関節の不調は三叉神経の働きを通じて頸部の筋緊張と頭部の感覚統合に波及します。目を閉じての立位バランステストでは大きく揺れ、ご本人にはその揺れの自覚がほとんどなく、足裏からの感覚入力が脳に届きにくい状態が確認できました。これは軸④の内受容入力の質の低下と整合する所見です。ランダムに動く対象を目で追う検査でも、眼球運動のスムーズさが低下しており、軸②小脳・前頭葉の働きの低下が示唆されました。

施術は、まず三叉神経の出口部位への振動刺激(100〜200Hz)で脳幹レベルへの入力を整え、続いて口腔内からの顎関節アプローチで三叉神経領域への持続的な負荷を解除、深層筋膜マニピュレーションで頸部・肩甲帯・帝王切開周辺の下腹部の癒着を解放、背骨の回旋方向への可動性回復、ビジョントレーニングで眼球運動の質を整える、という順序で進めました。複数の感覚入力を同時に重ねるスタッキング構成により、中枢の統合処理を一気に立ち上げることを狙いました。

変化のプロセス

施術後に再度バランステストを行うと、揺れが大きく減少し、ご本人から「足がついている感覚がある」という言葉が出ました。これは、軸④の内受容入力(足裏からの圧・位置情報)が中枢に届くようになったサインで、初回施術で得られる体感としては大きな変化です。目の動きの再評価でも、施術前にぎこちなかったランダム追従が、迷いなく対象を追えるようにスムーズになっていました。

口の開閉動作の比較では、左右の開きが施術前より均等になり、閉じる際に顔が前に出る代償も軽減していました。三叉神経領域への持続的な負荷が解除されたことで、軸①の感覚統合の質が動き、頭痛の出方の前提条件が変化したと考えられます。

姿勢写真の比較では、耳の位置がやや後方に戻り、上背部の丸まりが軽減していました。M様ご自身からも、「体が軽くなった」「肩の位置が変わった気がする」という言葉が共有されました。

施術を通じた生活の変化

今回は初回の施術のため、生活面の変化を観察するのはこれからとなります。ただし、内受容入力の解像度(足がついている感覚)、姿勢の左右差、眼球運動の質、顎関節の左右差という、日中の活動と回復を支える土台がすでに動いていたことから、月1回ほど出ていた強い頭痛の波、外出時の重さ、午後の体の重い疲れ、出産後から続く便秘や睡眠の安定性が、今後の施術の積み重ねの中で変化していく方向性が見えています。あわせて、自宅でのセルフケアとして、お腹を使った深い呼吸(仰向けでお腹に手を置き、息を吐く時にお腹の力を抜く意識)、口を大きく開け閉めして顎の可動域を保つ運動、四つん這いで背中を丸めて反らす背骨の運動、の3点をお伝えしました。施術後1〜2日のあいだは、深い層の筋膜が緩む過程で一時的な張りや重さが出る場合があることも事前にお伝えしています。

来院頻度・期間の目安

M様は、出産後から続く長期の経過に加え、背骨の可動性の著しい低下、帝王切開周辺の筋膜の癒着、顎関節の左右差と三叉神経領域への持続的負荷、内受容入力の質の低下が複合的に重なっている状態のため、初期は週1回程度のペースでの来院をお勧めしました。脳と身体が「新しい正しい状態」を学習し直すには、間隔を空けすぎずに繰り返し同じ良い状態を体験することが必要なためです。最初の数回は施術直後に得られた状態が数日で戻ろうとする反応も出やすいため、ここで頻度を落とさず積み重ねることが鍵になります。3〜4ヶ月を1つの目安として、状態が安定してきた段階で月1〜2回のメンテナンスへ移行していくプランで進めていきます。次回以降は、帝王切開周辺の深層筋膜への介入と、顎関節・三叉神経領域の再評価を組み合わせていく予定です。

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本症例は、ブレシア®臨床設計に基づく経過記録です。

※この内容は、Emaps株式会社の「リリーフポートフェミナ鍼灸整体院 大濠公園店」での実際の経過をもとに記録しています。
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※ ブレシア®(brascia®)は医療行為の代替ではなく、状態把握とケアの質を高めるための独自フレームとして運用しています。

※ 症状によっては医療機関の受診が優先となる場合があります。

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Supervision by Risa
Risa

リリーフポートフェミナ院長/鍼灸師
福岡市・大濠公園近くで、女性特有の不調と向き合う整体・鍼灸ケアを行っている。