2026.09.05

なぜ整えたあとに “こんなに重かったんだ” と気づくのか ── 自覚されていなかった不調と内受容感覚の関係

なぜ整えたあとに “こんなに重かったんだ” と気づくのか ── 自覚されていなかった不調と内受容感覚の関係

ブレシア®(brascia®/商標登録 第6920621号)は、感覚入力・中枢統合・運動出力の循環に基づき状態適応性を評価・更新する独自臨床モデルです。本記事では、施術を受けたあとに「自分が知らなかった不調まで整った」と感じる現象を、ブレシア®の軸④(島皮質・内受容感覚)という枠組みで読み解きます。Emaps コーポレートの統合解説「なぜ自覚のない不調まで変わるのか ── 主訴の外側で起きる回復」のリリーフポートフェミナでの展開として、女性の身体に起こる変化の連関を解説します。

「不調があることに気づけない」3つの理由

施術後に「そういえば、ずっと重かったんですね」と話される方が少なくありません。来院時には訴えていなかった部分について、変化してから初めて気づかれます。これには理由があります。

  • 比較の基準が自分の中にしかない:肩の重さも、目の開きにくさも、他人と比べられません。今の状態が長く続いていれば、それが自分の標準になります。
  • 変化がゆるやかだと気づけない:一気に悪くなれば異変として認識できますが、数年かけて少しずつ進んだ場合、体はその都度その状態に順応します。
  • 優先順位の高い不調が他を覆い隠す:強い痛みがあると、脳はそこに注意を向けます。他の部位の違和感は認識の外に置かれます。

起点となる研究 ── 痛みは組織の状態を正確には示さない

痛み科学の研究者 G. Lorimer Moseley は、2007年の論文で次のように述べています。

Pain is an output of the brain that is produced whenever the brain concludes that body tissue is in danger and action is required. Pain is not an accurate marker of tissue state.

(痛みは、脳が「身体組織が危険な状態にあり、行動が必要だ」と結論づけたときに生み出される脳の出力である。痛みは組織の状態を正確に示す指標ではない。)

出典:Moseley GL. Reconceptualising pain according to modern pain science. Physical Therapy Reviews. 2007;12(3):169-178. DOI: 10.1179/108331907×223010

痛みが脳の出力であるなら、痛みとして出力されていない緊張も存在します。脳が「守る必要がある」と判断していても、警告として意識に上らせるほどではないと処理された領域です。そこは本人にとって「不調のない場所」になります。

ブレシア®視点:軸④×軸③×L3の連関

階層 起きていること 整ったときに気づくこと
軸④(島皮質・内受容感覚) 身体内部の状態を把握する感度が下がっている 「今まで自分の体を感じていなかった」という気づき
軸③(大脳辺縁系・視床下部) 周期や生活リズムに応じた身体の波が平坦化する 寝つきや目覚めの違い、気分の変わりやすさの減少
L3(圧・呼吸) 呼吸が浅く、体幹の内圧が一定に保たれにくい 息が深く入る感覚、みぞおちのゆるみ

右側の列は、施術前には言葉になっていなかった内容です。変化して初めて、以前の状態が「重かった」と認識されます。

姿勢×呼吸×感覚の連鎖 ── なぜ気づけなくなるのか

起きる順序 身体で進行していること
① 前かがみの姿勢が続く 胸まわりが縮み、肋骨の動きが制限される
② 呼吸が浅くなる L3(圧・呼吸)の変動幅が小さくなり、体幹の支えが不安定になる
③ 内部感覚の情報量が減る 軸④に届く信号が乏しくなり、体の状態を細かく感じ取れなくなる
④ 不調が標準になる 重さや張りが「普通の状態」として登録される
⑤ 訴えとして出てこない 来院時の主訴には含まれず、施術後に初めて言語化される

「中枢→末梢」の順序がなぜ自覚まで変えるのか

  • STEP 1|軸④の感度を確認する:呼吸の深さ、体幹の反応、内部感覚への注意の向き方を見ます。
  • STEP 2|感覚の入り口を整える:情報が届きにくくなっている経路から働きかけ、脳に入る材料を増やします。
  • STEP 3|L3(圧・呼吸)を扱う:呼吸が深く入るようになると、体幹内部からの情報が増え、軸④の感度が戻ります。
  • STEP 4|構造を整える:内部からの情報が増えた状態で骨格や筋膜に触れるため、変化が持続しやすくなります。
  • STEP 5|自覚が更新される:感じ取れる範囲が広がった結果、以前の状態との差に本人が気づきます。

「自分が知らなかった不調まで整った」という言葉は、STEP 5に到達したときに出てきます。施術者が新しい不調を見つけたのではなく、感じ取る力が戻ったことで本人が気づいた状態です。

リリーフポートフェミナ鍼灸整体院 大濠公園店でのアプローチの位置づけ

福岡市中央区大濠公園のリリーフポートフェミナ鍼灸整体院 大濠公園店では、女性セラピストが女性専門で対応しています。肩こり・腰痛・生理痛・PMS・更年期など、周期や生活の変化にともなう不調を継続的に見ていく中で、主訴以外の変化に気づかれる方が多くいらっしゃいます。

継続して通われているS様からは「自分が知らなかった自分のカラダの不調まで整えてくれました」「目がめちゃ開く」という言葉をいただきました。詳しい経過は下記の記録をご覧ください。

自覚のなかった不調と目の重さが改善 ── 福岡市中央区大濠公園 S様

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Supervision by Risa
Risa

リリーフポートフェミナ院長/鍼灸師
福岡市・大濠公園近くで、女性特有の不調と向き合う整体・鍼灸ケアを行っている。